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FAQ

本章では、Onchain Examination Protocol「Kiriko」に対するよくある質問事項についてまとめていきます。

Q.1 スマートコントラクトを使う利点はなにか

まず、受験者は自分の解答がスマートコントラクト上に記録されているため、提出後でも自分がどのような解答を行ったのか見直すことができます。

また、出題者に事前に問題のモデル解答のhash値をcommitさせることで出題者がテスト終了後に解答を改ざんしていないことを担保することができます。

さらに、テスト後にテストに紐づいたデジタル証明書を合格者のみが発行できるようにすることで、既存のオンラインテストでは免れない、証明書の発行母体によるテスト受験者と合格者の紐づけプロセスを完全に排除することが可能になります。

通常のオンラインテストの場合、証明書の発行を行うのはテストを実行した母体となりますが、受験者が実際に優秀な成績を治めたかどうかは発行機関を信頼するしかすべがありませんでした。

しかし、スマートコントラクト上で管理することで、問題に紐づいてデジタル証明書を発行することが可能になり誰であれ、デジタル証明書保有者が実際に問題を解いて証明書を発行してもらったということを検証することができます。

このようにKirikoを利用することで特定の第三者機関を信頼せずともオンチェーン上での信頼を築いていくことが可能になります。

Q.2 フルオンチェーンにする意義はなにか

L2の急速な発達により、高速でかつ安価なトランザクションの実行が可能になりました。これにより、ブロックチェーンおよびスマートコントラクトに本来Webアプリ側で担っていた役割(ロジック、ストレージ)を移譲していけるようになりました。つまり、ロジックとストレージに透明性をもたせ、誰でも検証することが可能な、より汎用的なアプリケーションを構築する基盤が出来上がってきたということになります。

フルオンチェーンにしない場合、オフチェーンでのストレージやロジックの管理を単一の主体に依存することになるため、実質的に既存のオンライン試験のモデルと大差がありません。

我々がフルオンチェーンにこだわる理由は新しいパラダイムに則ったアプリケーションを創るべきだと考えているからです。

Q.3 なぜSBTではなくEASを使うのか

Soulbond Token (SBT) は、他のアドレスに転送することができないNFTで、ユーザーのアイデンティティや業績、出席を表現することでオンチェーン上での行動履歴を作成することができます。

しかし、証明書としてSBTを使う場合にはいくつか課題があります。まず、SBTとしての共通規格が定まっていないため、複数の実装が存在し得ます。そのため、SBTを表示させるアプリケーション側やその他のprotocol間での相互運用を妨げる可能性があります。

また、OpenSeaなどの既存のNFTマーケットプレイスのマイページなどにアクセスすると自分が持つSBTが表示されますが、一部のユーザーはNFTとは異なるものとして証明書を管理したいと考えます (自分のNFTコレクションと証明書一覧を混ぜて管理したくないでしょう)。NFTおよび証明書を同一のinterfaceで管理する必要性は無いのにもかかわらず、SBTを使うと同じinterface上で表示されてしまうので、使いづらさが増加すると考えられます。

一方、Ethereum Attestation Service (EAS)は、証明書に特化しているので、NFTをベースとした不要な機能がありません。EASはどの発行者から誰に対して証明書が作成されたか、を秘密鍵による署名を通して暗号学的に担保する仕組みです。シンプルな構造のため、試験終了後に任意の形式の証明書を発行することができるほか、既存NFTを保有するウォレットでも証明書は別物として管理することができます。